I-deate&eng.お問い合わせ

FELVA / DEVELOPMENT STORY

柱主体の木質架構から、
FELVAへ。

面材や筋交いを使わない木質架構への挑戦。特許、制度、製造コストの壁を経て、FELVAへ至った技術転換の記録です。

IN BRIEF30秒で分かる、この開発

I-deateは当初、面材や筋交いを使わず、柱を主体として水平力に抵抗する木質構造を目指しました。ブロック柱と専用接合部材を開発し、試験も進めましたが、壁倍率認定制度と製造コストが社会実装の大きな障壁となりました。そこで、面材と市販金物を使いながら、研究で得た横材の知見を生かす方向へ転換しました。それがFELVAです。

FELVAのコア技術は現在特許出願中です。本記事で紹介する特許第7401145号および特許第7671103号が、そのままFELVAに採用されているものではありません。

ORIGIN面材や筋交いのない構造を目指す

開発の出発点は、柱そのものを耐力要素として働かせる構想でした。柱頭・柱脚付近に横材を設けると、柱が曲げ変形する長さ、すなわち可とう長さが短くなり、柱が壁のように水平力へ抵抗します。

実験では、柱主体の架構で壁倍率2〜3に相当する耐力が確認されました。しかし、無垢の柱は大きな変形域で脆性的に折れる課題がありました。

BREAKTHROUGH柱をブロック化し、引張材でつなぐ

無垢柱では変形性能が不足し、研究過程では1/30rad以降に脆性的に折れる課題が確認されました。そこで、柱を複数の木質ブロックに分け、引張材で連結する構造基材を考案しました。圧縮力はブロック材、引張力は長尺状の材料が主に負担する考え方です。この技術が特許第7401145号です。

ブロック化は、一本の無垢材にひび割れや破壊が集中する状態から、ブロック間の変形と引張材の働きを利用する状態へ、壊れ方を変えるための転換でした。

JOINT TECHNOLOGY柱頭・柱脚の回転に抵抗する

柱主体の架構では、柱を強くするだけでは不十分でした。一般的なホールダウン金物は、面材や筋交いが有効なときに生じる柱の引き抜きへ抵抗するためのものです。面材がない架構では柱頭・柱脚が回転し、一般的な金物だけでは水平力への抵抗が小さくなります。

この課題に対して、金属部を塑性変形させ、木部の脆性的な破壊を抑えながら繰り返し変形のエネルギーを受ける接合部材を開発しました。これが特許第7671103号です。

技術として成立することと、

社会で使えることは、
同じではない。

BARRIER 01「柱だけ」では壁倍率認定を取得できない

複数の指定性能評価機関へ壁倍率の大臣認定について相談したところ、柱のみの架構は「面を構成していない」ため、耐力壁として認定できないとの共通の見解が示されました。

SOCIAL IMPLEMENTATIONラーメン構法として実装する難しさ

壁倍率認定とは別に、ラーメン構法として社会実装する道も検討しました。この方式で進める場合、独自柱材の長期耐久性・クリープ性状の確認、接合部を含む要素試験、実大振動試験、建物ごとの個別大臣認定などが必要になります。設計は複雑になり、施工にも専用の知識と手順が求められます。検証と認定を積み重ねれば、10年単位のプロジェクトになり得ると判断しました。

ラーメン構法とは、柱と梁を強く接合し、骨組み全体で地震力に抵抗する構法です。

ラーメン構法とは、柱と梁を強く接合し、骨組み全体で地震力に抵抗する構法です。

BARRIER 02専用金物の製造コスト

開発した専用金物は特注製作となるため、一般的な市販ホールダウン金物より製造コストが高く、普及に向けた大きな課題となりました。面材を不要にする構造全体として価値を生み出せるなら成立の可能性がありますが、一般的なホールダウン金物の単純な置き換えとしては、コスト差が大きな障壁となりました。

TURNING POINT面材あり、市販金物で、大臣認定を目指す

最終的に、まず社会で使える技術にすることを優先し、面材を用い、市販のホールダウン金物を使い、耐力壁として大臣認定を目指す方針へ転換しました。

柱主体の研究で得た「横材によって柱の可とう長さを短くし、柱の抵抗を引き出す」という知見は、面材耐力壁の中へ受け継がれました。それがFELVAです。

特許第7401145号および特許第7671103号は、FELVAの採用技術ではありません。FELVAのコア技術は、現在特許出願中です。

VALUE研究を、使える技術へ

RESEARCH

仮説を試験する

柱、引張材、接合部材の役割を実験で確認し、課題を明らかにしました。

ENGINEERING

壊れ方を設計する

最大耐力だけでなく、大変形時や繰り返し時の挙動を重視しました。

SYSTEM

制度を理解する

認定制度の条件を踏まえ、技術の形を現実的に組み直しました。

PRODUCT

製品へ昇華する

施工性、価格、供給性を含め、住宅で使えるFELVAへ転換しました。

PATENT INFORMATIONこの開発史に関わる保有特許

PATENT 01

特許第7401145号

発明の名称:構造基材、構造部材及び構造物
登録日:2023年12月11日
特許権者:株式会社I-deate&eng.

PATENT 02

特許第7671103号

発明の名称:接合部材
登録日:2025年4月22日
特許権者:株式会社I-deate&eng.

NEWSブロック材と引張材からなる
構造基材
VIEW ↗
NEWS繰り返し変形に抵抗する
接合部材
VIEW ↗
FELVAFELVA CORE TECHNOLOGYVIEW ↗TECHNOLOGY最大耐力だけでは、
構造の強さを語れない
VIEW ↗

CONTACT

技術・共同開発製品採用について相談する

CONTACT ↗
JOURNALへ戻る ↗